ef - a tale of memories. #6 『rain』

景vsみやこの『戦い』……。


脚本:高山カツヒコ/演出・絵コンテ・作画監督:宮崎修治、
制作協力:スタジオパストラル
宮崎氏頑張りすぎである(笑


アバンタイトルから、「あなたの存在を、消してみせる」という発言。短いアバンタイトルだったが、景のみやこへの宣戦布告は強く印象に残った。


前回の、京介の『告白』は、景を女優としてスカウトするためのものだった。紛らわしいにも程がある!(笑
そりゃ平手打ちも喰らうさ。
初めて京介は紘が漫画家であることを知ったのだが、その作品作りへの考え方から、景を放っておいて論争する。そのシーンの京介は、誰かを髣髴とさせる。
景はその約束を拒否するが、そこまで強いものではなかったから、そのうち折れるか?
紘宅からの帰り道、紘にバスケの試合に来るように頼む。試合に勝ったら、大事なことを伝えると告げて。その前に、「私って……うざい?」と気持ちを確かめるように訊ねるが、否定する紘の姿勢は、景の重さとは対照的に軽い印象を受けた。大事なことを伝えるといった時も、それが何であるか想像もついてないかもしれない。この紘の鈍感さが、色々物語をかき回してるのだろうか。


そして、景はみやこを呼び出し、踏み切りの前で、宣戦布告する。途中みやこが話をはぐらかすようなことを云うが、実は景の『覚悟』を分からないし、紘と付き合うのにもそのようなものが必要ではないのだと思ってたのではないか。だが、「お兄ちゃんの心から、あなたの存在を、消してみせる」と云ったとき、みやこがそれまでとは違う反応を見せる。「私ガ――」「広野君ノ心カラ」「消エル・・・」。「また…消えてしまう……」また?過去に何かあったのだろうか。


翌日、みやこは紘をデートに誘う。バスケ部の試合の事も言及し、それに上書きするように。紘はバスケを観に行く約束はしてないというが……。結局みやことも約束はしてないような気がしたけどどうなるか。


バスケの試合。紘は居ない。京介は景を撮る。だが、景は途中で倒れ……。景が落ち込んでいた理由は、やはり紘が来ていなかったことなのではないだろうか。しかし紘はそこに駆けつけた。京介が連絡したのだ。余所行きの服……みやこのデートに行くつもりだったが、「放っておけるわけないだろ」と予定をすっぽかして。さっきも書いたが紘の、二人の思いに対する反応の薄さが、どうも……。おんぶさせてもらった景は安心したのかもしれないが……。そして、家に忘れられた携帯に表示された『着信アリ:99件』……。そこカタカナはちょっと!というのはさて置き。


強い展開の紘パートとは打って変わってほのぼのとした蓮治パート。もっと資料が欲しいという千尋を学校の図書室に連れて行く。制服を借りるのにすみれさんに頼むが、何故か久瀬さんを薦められる。警官の制服まで持っている久瀬さんって一体。ともあれ図書室に来た千尋。初めての学校、そして広がる千尋の世界。12歳と13時間で縛られた世界の外から蓮治が手を差し伸べたから来れた場所。


時軸的には前だが、火村さんは、千尋が文章を書くのは生き抜く事と同じだと云う。私たちは記憶を脳にしまって置けるから必要がないが、千尋にとって文章は過去の自分から未来への自分への、イメージの伝達するための存在。それが無いと、自分を未来へとつなげていけない。千尋の小説を書く力は、小説家のそれと同じなのだ。どれだけ、自分を他者へと伝えられるか……。
そして火村さんの「千尋へ深入りするなよ」という忠告は何を意味するのか。
そもそも火村さんは誰を待っているのか。雨宮なのだろうが、一体二人は何者だろうか、そして火村さんって雨宮に会えているんだろうか?
以前に会ってたシーンがあった気がするが、記憶違い?


次回『I...』はそれぞれの自己を問う意味合いなのだろうか。


エンディングがまた変更、千尋バージョン。曲も映像も一番好きかも。映像は前のと同じく上坪氏のセンスが光る。サビ開始の紙が舞い散るシーンは千尋の何を暗示するものだろうか……。